Nue inc / 株式会社ぬえ
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ARTISTS' FAIR KYOTO

Creative Direction / Art Direction / Naming / Web / Graphics
2018.02

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アナーキーなアートフェアを目指して。

2018年2月、京都を舞台に現代アートにフォーカスした「ARTISTS' FAIR KYOTO (アーティスツ フェア キョウト)」を初開催しました。既存のアートフェアの枠組みを超え、アートとマーケットの融合をダイレクトに感じる3日間(うち1日はVIP DAY)となりました。
結果として、3日の開催で述べ3,000名の来場者を記録し、一時的に入場規制がかかるほどの集客に至りました。

ディレクターに現代美術家の椿昇、アドバイザリーボードに池田光弘、薄久保香、大庭大介、勝又公仁彦、金氏徹平、鬼頭健吾、澤田知子、塩田千春、高橋耕平、名和晃平、ミヤケマイ、ヤノベケンジと、世界の第一線で活躍するアーティスト陣12名を迎え、彼らのキュレーションにより若手アーティストを選出しました。
選ばれた20代~30代前半の若手アーティスト36名が中心とし、出展作品は合計で276点となりました。

意図的な「アウトオブコントロール」

本プロジェクトのディレクターを務めた椿昇氏からの相談でプロジェクトに参加。
世界中のアートフェアをリサーチすると、そこに立ち上げる空間の多くはフラットでクリーンなイメージ戦略を感じ、こちらのクリエイティブワークでアーティストを喰いにかかるレベルでのぶつかり合いが起きる方が予想だにしない結果を生むのではないかと思い、デザイナーの三重野龍をメインデザイナーとしてアサイン。メイン会場のロゴとサテライト会場のロゴを2点作成しました。
ディレクションも細かな支持ではなく、簡単なキーワードのみを提供し、そこから創発していただくプロセスを設計し、この二つのロゴが誕生しました。

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サテライト会場のおまけ感を消し去る。

また上記ロゴの展開からわかるように意図的にサテライト会場も別のロゴを用意した。
ネーミングもサテライトとせず「BLOWBALL(ブロウボール)」と名付けました。
タンポポの綿毛を意味する言葉を与え、これから外へ羽ばたく若手作家への想いと、メイン会場を中心とした京都の周辺に広がる無数のサテライト会場をイメージしました。

空間設計もdot architectsの規格外な提案

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弊社のグラフィックワークとは別ラインで会場空間の設計はdot architectsに任せられた。
意図せずアーティストを喰いにかかる空間の提案にこのプロジェクトならではのグルーヴ感ある空間が立ち上がった。

限られた会場空間に設置すべき点数は無数にある状況の回答が、空間の中にもう一つ建造物を生み出すという提案だった。工事現場の足場を組み、不足していた壁面量を増やし、アーティストとの距離が近くなる。この空間が立ち上がったことで素晴らしい熱気が演出されていた。

混沌で統一感を出すグラフィックワーク

プリント関連は三重野龍。デジタルデザインにはmemの前田健治。構築に株式会社おいかぜに依頼。限られた時間の中で膨大なクリエイティブワークを実現できた。

期待を超えていくチームビルドの可能性

今回、期待値でのアサインではなく予測不能なクリエイションをいかに合気道的に唯一無二のクリエイティブに落とし込むかが弊社のフォーカスとしてありました。

ディレクションも細かく指示し、こちらの意図するところに落とし込む大切さもありますが、それを過剰に縛ることで失われる創造性もあります。制作チームはフラットに機能しあい、起点となるグラフィックから、それぞれの着想を持って各媒体に着地させていくことで全体を通じてブレないクリエイティブイメージを守りながらも攻めた内容を守ることができました。